生育条件別の
カラマツ丸太
強度試験
強度を測り、価値ある価格を確立する
上田地域の主要な樹種であるカラマツが成熟期を迎え、合板以外の用途への需要拡大が課題となっています。
にぎやかな森プロジェクトでは、強度の高いカラマツがどのような森林条件で育つのかを明らかにするため、令和3年から認証森林の丸太強度を測定し続けています。
強度に見合う価格でカラマツを販売できる仕組みを整えることが、地域林業を持続的に支える基盤となります。
合板以外の用途を、
広げるために
カラマツは合板用材としての需要は高いものの、それ以外の建築用途への利用は限定的です。林業を持続させていくためには、合板以外の需要を広げ、その需要に応えられる強度の高いカラマツがどこに分布しているのかを明らかにする必要があります。
本調査では、各認証森林のカラマツ丸太の強度を実測し、データから森林全体の傾向を推定。「素材の日本農林規格」を満たすカラマツ林の特定を目指しています。
縦振動法による
ヤング係数測定
丸太に振動を与え、その固有振動数から「ヤング係数」と呼ばれる強度の指標を算出します。令和3年度から毎年、認証森林内で計300本以上のカラマツ丸太を測定してきました。
測定は県の林業総合センターとの技術協力体制のもと、専門職員の指導を受けながら実施。標高、林齢、本数を記録し、生育条件と強度の関係を分析しています。
「はい積み」状態での、
簡易測定法
強度の高い丸太を価値に見合う価格で販売するには、現場で素早く強度を見分ける必要があります。1本ずつ吊り上げて測定するのは手間がかかるため、丸太を積み上げた「はい積み」状態のままで測定する手法を試行しています。
令和6年度の調査に続き、令和7年度も2か所で検証。吊り上げ測定の1次振動数と、はい積み状態の2次振動数の半分が、ほぼ一致することが確認されました。
長期調査から、
見えはじめた変化
令和7年度は、長和町大門財産区と上田市武石財産区の2か所で計60本を測定。武石財産区では平均ヤング係数Ef149という、高い強度が確認されました。
丸太から製材・乾燥させた平角材についても固有振動数を測定したところ、桟積み状態のままで2次・3次の振動数を用いれば、高い精度で強度推定が可能であることがわかりました。
丸太の強度から、製材の等級が予測できることを確認
大門財産区の丸太30本を平角材に製材・乾燥させて再測定したところ、丸太の時点ではEf130が最多だったものが、製材後はワンランク下のE110が最多となる傾向が確認されました。 重要なのは、この変化に一定のパターンがあるという発見です。丸太のヤング係数がわかれば、製材後のE等級の出現頻度を予測できる。伐採現場での選別と価格設定に直結する成果です。