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PROJECT 04 Our Project

カラマツの天然
更新可能性調査

植えなくても、森は再生するか

カラマツは比較的天然更新しやすい樹種として知られていますが、稚樹が森として育つまでの施業技術はまだ確立されていません。

にぎやかな森プロジェクトでは、上小地域でカラマツが自然に発芽・成長している現場を継続的に調査し、再造林にかかるコストや労働力を抑える新しい林業の可能性を探っています。

苗木を植えるのではなく、森自身の力を引き出して育てる。その条件を一つずつ明らかにしていく取組です。

01 Background

再造林コストへの
新しいアプローチ

上小地域では多くのカラマツ林が主伐期を迎えており、伐採後の再造林にかかるコストや労働力の確保が大きな課題となっています。苗木の植栽、下草刈り、シカ食害対策—これらすべてに人と費用がかかります。

この負担を減らす一つの方法が、カラマツの「天然更新」、つまり親木から落ちた種が自然に発芽し、稚樹として育つ仕組みを活かすことです。本プロジェクトでは、その実現条件を継続的に調査しています。

02 Three Survey Sites

3つの調査地で
異なる条件を比較

調査地は、上田市武石上本入の番所ヶ原市有林、長和町大門の財産区有林、そして青木村下横手の共有財産組合有林の3か所です。標高1,000mから1,100mに位置し、それぞれ斜面の向きや傾斜、面積、植栽密度が異なります。

番所ヶ原は平坦地で2年生実生、大門は傾斜地の作業道上に更新、青木村は8年生のヒノキ植栽地に天然更新したカラマツが共生する林分。この多様性が、天然更新の条件を浮かび上がらせます。

03 Survey Methods

標準地調査と
ドローンの併用

上田市と長和町の調査地では、1m×1mの標準地を設定し、稚樹の成立本数、樹高、根元径を一本ずつ測定。林分の周囲の状況も合わせて記録します。

青木村のヒノキ植栽地では、ドローンによる上空撮影で全体像を把握。記録された個々の稚樹について樹種を判別し、植栽木と天然更新木の分布を明らかにしました。地上と空、両方からのアプローチで森の姿を捉えています。

04 Common Conditions

天然更新を支える
共通条件

3年間の調査から、いくつかの共通要因が見えてきました。令和5年のカラマツ種子の豊作、機械地拵えによるA0層(腐植土層)の攪乱、寒冷な気候によるタケニグサ等の競合植生の抑制—これらが重なることで、天然更新が成立しやすくなることがわかってきています。

一方で、植栽木と比較しても遜色ない、あるいはそれ以上の生育速度を示す個体も確認されており、天然更新の力を引き出す施業のあり方は、今後の地域林業の方向性を左右する重要な研究テーマとなっています。

番所ヶ原市有林で、伐採区域全体に及ぶ天然更新を確認

令和5年度に皆伐を行った番所ヶ原市有林で、施業範囲全体にカラマツの実生が発生していることが確認されました。これまで皆伐地で天然更新が見られるのは林縁部や作業道上に限られていただけに、特筆すべき事例です。 平坦な地形による造材方法、機械地拵えによるA0層の攪乱、寒冷な気候。複数の条件が重なって発芽しやすい環境が整ったと考えられます。植栽木と並ぶ勢いで育つカラマツは、上小地域の林業に新しい選択肢をもたらす可能性を秘めています。